紡ぐ〜夫婦純愛物語〜
藤田家のご夫婦は、私や母、父そして祖母にも丁寧に挨拶をして、帰路に立った。

彼女も、ご両親を見送るために席を立ち玄関に向かった。

ここで、私はやっと一息つけたのである。

「優作、あなた全然食事してないじゃない。今晩は、晩御飯は無いのに平気なの。」

母が怪訝そうな顔をして尋ねた。

「とても、食欲なんてありませんよ。」

私が答えると、母はニッコリと笑って

「良かったわね、噂通り美人さんで。それもかなりしっかりした娘さんだったわよ。」
と、言われた。

「あらあら、澄子さんはもうお嫁さんと話したのかい。」

母との会話に祖母が割って入ってきた。

「はい、少し緊張している様子だったので昔お義母さんに言われたことを言って差し上げましたよ。」

「そーかい、そーかい。それじゃあ私も早くお話したいねぇ。」

母と祖母は、二人で笑いあっていた。

私と父は一体なんの話をしているのか検討もつかず、笑っている二人を見ていた。

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