紡ぐ〜夫婦純愛物語〜
「じゃあ、私は部屋に戻るよ。」

祖母が、そういうので父も祖母を連れて出ていった。

残された、私は母と二人にされた。

「優作、あなたが勝手に後ろ向きになるのは好きにしたらいいと思いますよ。けれど、そのせいでセンさんを悲しませるようなことをしたら、承知しませんからね。女を泣かせる男なんて我が家では打ち首ものだと言うこと、今ここでその身に刻みなさい。」

母は、笑って言ったけど目が笑っていなかった。

幼い頃から、祖母と母に「女を泣かせる男は最低だ」と、事あるごとに聞かされて来たから今更そんな事を言われなくても、わかっている。

たが、言うは易しやるは難しと言うように、実際に行動に起こすのはまた違っているのだろう。

せめて、彼女に不幸だとは思わせないように。

私はそう、心に誓った。

しばらくして部屋の片付けをするというので、私と母も席を立ち自室へと戻った。
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