紡ぐ〜夫婦純愛物語〜

お義母様は、部屋の空いた場所に腰をおろし、私にも座るようにと言った。

「うちは、今言ったように母屋と小さな離れがあってお義父さんが亡くなられるまでは私達夫婦は、離れで暮らしていたの。でも、お義母さん一人になってからうちの人が、家長になって母屋に移ったもんだから離れには今、優作一人で暮らしてるのよ。」

「そうなんですね。」

確かに、母屋はとても大きかったけど離れは普通の家と変わらない程度の大きさだ。

「もちろん、離れだけでも生活できるようにお台所やお風呂はあって、私達に気を使うことなくセンさんが取り仕切ってくれて構わないんだけど………。」

そこで、お義母様は一旦口をとざした。

どうしたのか、気になって「お義母様？」と、聞くとお義母様は私の方に向き直り、少し気まずそうに口を開いた。

何か言いにくい重大な事を告げられるのではと、思い私も気構えをした。

「あのね、センさん。母屋と離れとはいえ、同じ家に住んでるのだから私、家族のつながりを大切にしたいの。だから、週末だけでも母屋で私達と食事をくださらないかしら。」

「え？」