紡ぐ〜夫婦純愛物語〜
朝からバタバタした、一日でとても疲れてしまった。実家にいるときに、花嫁修行としてお母様にいろいろなことを教わった。
 
まず、嫁として相手の家のやり方をしっかりと覚えること。家によって料理の味付けや、掃除の仕方等々が様々だからお姑さんに教わりながら覚えることが大切だと言われた。

次に、お姑さんより働くこと。お姑さんを楽にさせるためにも、体力のいる仕事は率先して行うこと。

他にもたくさんのことを教えてもらったのに、この家でもほとんど、役に立ちそうもない。

“この家でも”というのは、藤田の家でもお母様は、呉服屋の仕事で忙しくてしていたからお料理は使用人の方に任せていたし、掃除も洗濯も然りだ。

勿論、やれるときはやっていたし家の事に指示を出すのはお母様だった。

だからこそ、お母様は私に普通は嫁が行うことだと言うことを教えたかったのかと、今になって気づいた。

野崎家も多くはないけれど、女中がいた。
華族のように、たくさんの使用人を侍らしたりはしないのが商家の特徴で、店にかかりきりで家の事が回せないので必要最低限の人間を雇うのだ。

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