紡ぐ〜夫婦純愛物語〜
部屋に入ると布団が番で並べられていた。

それを見て、心臓が飛び跳ねてしまった。
(近すぎやしないか)
そう、思ったがこれからの事を考えると納得してしまった。

それから数分して、母の言葉を思い出しどうやって声をかけようか悩みに悩んだ末、襖を開けることにした。

そっと襖を開けると彼女が、顎に手を当て考えるような格好をしてこちらを向いて座っていた。

ポカンとした、彼女の顔をみてようやく自分が声もかけずに女性の部屋の襖を開けてしまったことに気がついた。

「あっ、突然開けてすみません。その、お風呂上がったのでどうぞ。」

焦って、それだけ言うと襖を閉めてしまった。

ピタッと閉まった襖の向こうから「はい。」という声が、小さく聞こえた。

「何をやっているんだ、私は。」

自分に呆れてしまう。彼女はきっと腹を立てたか、最低な男だと思ったに違いない。

「あぁーー」
濡れていた髪の毛を手ぬぐいで思いっきりグシャグシャにして乾かそうとした。










































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