紡ぐ〜夫婦純愛物語〜
「16の娘が見ず知らずの男の元に嫁ぐ不安と恐怖は計り知れないでしょうね。それなのに、彼女は首を縦に振った。貴方は何か不満でもあるのかしら？」
笑顔で毒づく母は、父よりも怖いと思ってしまう。

「結婚したくないの？それともお相手の娘さんに不満があるの？」

結婚したくないわけでは無いし、あったことの無い人に不満なんて無い。
おそらく、母が言っているのは相手の"家柄"に、不満があるのかと、言うことだろう。
勿論、そんな事はない。

私の顔で困っていると察した母は、安心させようとしたのか「大丈夫よ、家柄も去ることながら何より、とても良い娘さんだと有名よ？。それに、とびっきりの美人さんなんだとか。」と、言って来たけど逆効果だ。

もし、そんな美人だったら、こんな平凡が服着てメガネかけて歩いている様な顔の男に見合うはずが無い。

しかし、既に承諾されている話だ。
受けないと言う選択肢は私には残っていなかった。
「はぁ。……わかりました。結婚します。」

私が諦めたというか、折れて結婚を承諾したのでこの縁談は、一応丸くまとまった。

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