隠れ蓑〜Another story〜
「私、絶対に認めません。先輩がここを離れることを。」
「真美ちゃん落ち着いて、、?何度も言うけど何も会社を辞める訳じゃないんだよ?部署が変わるだけでここには残るつもりだから。」
「こちらこそ何度も言いますけど、そんなの辞めたのと同じです!!!先輩がここから居なくなったらこの会社は終わりですよっ!!」
「大袈裟だよ。真美ちゃんがいるんだから大丈夫に決まってるでしょう?それに私が抜けても直ぐに新しい子が来るだろうから心配いらないよ。ほらっ!真美ちゃんにとって初めての後輩ができるんだよっ!?」
「私、後輩が欲しい訳じゃありませんから。」
ある事件をキッカケに連日同じ言い争いをしている相手こそが私の目標で憧れでもある受付嬢の先輩の西村 晶帆さん。
歳は私の3つ年上の頼れる先輩だ。
ある事件というのは、遡ること1週間前。
ここ、、受付で繰り広げられた先輩を巡って修羅場が勃発した大事件だ。
先輩はこの会社の営業課長でありエースである津川 圭と恋人関係にあった。
だが、それはフェイク。
訳あって〝偽りの恋人〟として3年間も周囲を騙していたのだ。
それを知った時は、ただただショックで先輩と1番仲のいい後輩は自分だと思っていただけに裏切られたような気がした。