隠れ蓑〜Another story〜


ただそれがフェイクだと聞かされても、何か理由があるんだなと思っただけでそれに関しては怒りは感じなかった。


何故ならば、2人が想い合っていたのは明らかだったから。







そんな事よりもショックだったのは、私に何も話してくれていなかったことだ。

いつも隣に居たのに、、、。




先輩が長いこと悩んでいたのも何も知らずに過ごしていた事がどうしようもなく悲しくて、、頼って貰えなかったのが寂しかった。


だからつい、冷たい態度を取ってしまったが先輩が憎いとかそんな感情は一切なかった。






いつも穏やかな先輩の涙を、、激しく感情を剥き出しにした姿を見るのもその事件が初めてで、先輩は沢山のモノを独りで抱えいたんだと知った。

晴れて本物の恋人同士になった2人だったが、相手の津川さんが営業課長から人事部長に昇進してしまい、困った事が起きた。





それは先輩を受付から他の部署に異動させるという話が上がってしまったという事だ。






どんどん綺麗になっていく先輩を1番近くで見てきた私から言えば、恋人である津川さんの心配も最もだ。


1番人目の着く所に置いておきたくない。



< 105 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop