隠れ蓑〜Another story〜
嫉妬深い津川さんの考えそうな事だ。
しかも今は人事部長という役職が付いている為、先輩を異動させる事なんて動作も無い。
それでも私は納得いかない。
「第一、先輩の希望は?意志は?本当にここを離れたいって思ってるんですか?」
「離れたい訳じゃないよ?でも受付の適任は私じゃなくて沢山いるだろうし、、何より彼が嫌がる事はしたくないの。」
「結局先輩はそこなんでしょっ!?先輩は私よりも津川さんを取るんだっ、、!」
手で顔を覆い泣いたフリをすると、困った笑みを浮かべていた先輩が慌ててふためき出した。
「真美ちゃんっ!?そんな津川さんを取るだなんて!!そんなつもりじゃないよ!?」
「だって実際そうじゃないですかぁ〜〜!!酷いです、、先輩なんか嫌いです、、。」
グスグスと鼻を鳴らすと勘違いをした先輩が泣きそうな声を出した。
「やだっ、、真美ちゃん泣かないでっ、、?!っ、、私、やっぱりここに残るからっ!ねっ!!圭くんは私が説得してみせるから!!」
待っていた言葉を聞いて嬉しさで咄嗟に顔を上げると、冷たく睨みつけてくる人事部長様の姿。