隠れ蓑〜Another story〜


そういって私の方をチラリと見た社長は、まるで先輩だけじゃなくて私もここに必要な人間だと言われた気がして目頭が熱くなった。

先輩の背中を追いかけて、、まだまだ追いつく所には居ないけど背中が見える位置まで行けた気がする。



涙を堪え、2人に向かって深々と頭を下げてた。






「っ、、ありがとうございますっ!本当にっ、、本当にっ!ありがとうございますっ、、、!!」



長い時間、そのまま頭を下げて続けた。

するとドアが開く音がして、津川さんの声が耳に響いた。







『、、これからも晶帆を頼む。頼りにしてる。』



その優しい声に顔を上げると、目を細めた優しく口角を上げた津川さんの姿がそこにはあった。

そのまま静かに社長室を出ていった津川さんを見送ってもそのまま暫く動けずに居た。









だって私が初めて見た。

津川さんの本当の笑顔だったから。










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