隠れ蓑〜Another story〜

『っ、、、ごめん、、、、。』

















そう小さく呟いて、彼は素肌に触れた。

まるで壊れ物を扱うような彼の優しさに、堪えきれずに涙がこぼれた。



涙を流す私を見ても、彼は止めなかった。







ただ、何度も呟いた。















『ごめん、、晶帆、、、っごめん、、。』





涙でボヤける視界には表情を歪め、泣いているかのような切ない声を漏らす彼が映って、更に涙が頬を伝う。

涙を止めたいのに、止めることが出来なかった。










きっと彼は勘違いをしている。


私が泣いている理由を。






















身体を痛いくらいにキツくだきしめられ、ゆっくりと彼が私の中に入ってきた。
















あったのは痛みではなく喜び。

悲しみの涙ではなく、嬉しさからの涙。








好きな人と身体を繋げるということが、、、こんなに幸せに満たされた気持ちになるなんてこの時、、初めて知った。