恋愛初心者です、お手柔らかに？
「…まさか、佐々木さんと付き合ってたとはな。いつからだ？」

「え？知らなかったの？和己が会社辞める前からよ。やっとお店が落ち着いたから、来年、式挙げるんだけど」

「そうなのか！おめでとう。なんだ…俺てっきり…」

「絢が和己の事好きなんだと思ってた？相手違うわよ。もっと身…」

「…茉耶さん！」

着替えが終わり、待ってくれている茉耶さんの元に行こうとした時、同期だった二人が話しているのが聞こえてきた。
何をばらそうとしているのか、私は慌てて茉耶さんの話を遮った。

「あらやだ。早かったわね。ちゃんと白石に教えてあげようとしただけじゃない」

私が怒っているのが分かったのか、茉耶さんは言葉を濁すように笑った。

「もう！余計な事言わないで下さいっ…」

「な、なんだ？中澤、教えろよ」

「白石課長も…もう…いいです、から…ゴホッ」

また咳が出始めたのを見た、白石課長はまずいと思ったのか、茉耶さんにまた今度な、と言って早く私を連れて帰るように言った。

「半休にしておくから。明日も辛かったらでんしてくれ。休みにするからな」

「…っ、す、すみ…ゴホッ、すみません」

茉耶さんは、咳が出始めた私の背中をさすり、早く帰ろうと、その場を後にした。
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