恋愛初心者です、お手柔らかに?
大丈夫だから…

大丈夫。

笑ってそう言うと、悠君は無理すんなって肩を抱いてくれた。
それを見たい倉橋さんが、顔を真っ赤にしながら、茶化していた。

「ホントに大丈夫か?無理すんなよ?」

「大丈夫よ。心配性ね、悠君は」

「な、そ、そりゃ、そうだろ?」

倉橋さんが先に戻り、私と悠君は並んで歩いていた。

すぐ横を歩く悠君と手が触れた。
その手を私は握った。

「…っ」

その行動に驚いたのか、悠君は歩きながら私の顔を覗き込んだ。

「無理なんかしてないよ?仕事中はダメだけど、休憩中だからね」

笑ってそう言うと、悠君も笑ってくれた。

「そうだな。じゃ、あと少しだけ…」

そして、社に戻った。

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