恋愛初心者です、お手柔らかに？
齋藤君と旦那さんの広樹さんが、外に出て行ったのを確認した涼子ちゃんは、翔太君の授乳を始めた。

お母さんしてるなぁ、そんな思いで、ぼーっと眺めていた。

「…で、まだ告白してないんですか？」

「は？な、何がよ」

「何がよ、じゃないですよ。長すぎませんか？」

「うっ…」

なんでみんなこう言うかな。
簡単に告白なんか出来ないってのに。

「告白したもん勝ちですって。今日やっちゃいます？」

「訳わかんないし、涼子ちゃん。私には無理だって！」

「無理じゃないですって。早くしないと、齋藤誰かと付き合っちゃいますよ」

「何言ってんのよ。齋藤君って彼女いるでしょ？」

「はぁ？ないない。それだけははっきり言える。ないですって」

「え？なんで、だって…」

彼女はいない？
涼子ちゃんの情報の方が、真実味あるかな。
じゃ、前に見たって話してたのは、もしかして、見間違い？


「こんなに子供好きなんですから。絢さんには早く結婚して、子供作ってほしいですよ」

「ありがと」

好きだけど、真実を知るのが怖い。
もし、失敗して…居づらくなったら、会社も辞めなきゃ。

私は一体どうしたんいいんだろう。答えが見つからない。

涼子ちゃんの腕の中で、気持ちよさそうに眠る翔太君を見ていた。
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