恋愛初心者です、お手柔らかに?
…っ、キ、キスされてるっ…

涼子の所に遊びに行った帰りに、話がしたいと齋藤君から言われて、和音に寄ったまではよかったけれど、そこからの記憶がなくなった私。

朝目覚めると、目の前に齋藤君がいて。

ベッドで一緒に寝ていたみたい。
服は着ていたけれど、俺の言った事まで忘れましたか?と、戸惑う私にキスをした齋藤君。

「んっ…っ…」

くるっ…苦しいっ…
キスって、どこで息するの?

それに、どうして?私にキスなんて…

寝ている人にはしないって…一瞬齋藤君が言った言葉が頭をよぎった。

「はっ…あっ…ダメ」

「…っ、え?」

ドンッ

激しくなりかけたその時、私は齋藤君を突き飛ばしていた。

「っ…痛っ」

「あっ、ご、ごめん。で、でもごめんなさい。私…な人としかそんな事出来ないから!」

私に突き飛ばされ、床に落ちた齋藤君にそれだけ言うと、私は床に置いていたカバンを手に取り、慌てて部屋から出て行った。

「え?あ、永山さん!」

齋藤君が私を呼び止めたけれど、私は振り返らずそのまま、部屋から走り出ていた。

そして、道路に出た私はタクシーを止めて、自分の部屋に帰った。



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