恋愛初心者です、お手柔らかに?
最悪。

なんなの?

タクシーでマンションまで戻ってきた私は、今起きた現実にどうしたらいいのか分からなくなっていた。


何も考えたくなかった。いつのまにか、私はベッドで眠ってしまっていた。

目が覚めた時には、辺りは真っ暗になっていた。

「もう…そんな時間?」

暗闇の中、目を覚ました私の視界に入ったのは、枕元に置いてあった時計だぅた。
時計は10時を指していた。
あれから何時間寝ていたんだろう?

重い体を起こした私は、ベッドから立ち上がった。

「あいたた…、何からやってるんだろ、私。ほんと情けないな」

頬を涙が伝った。

そして声を出して泣いた。

「っ…うっうう…」

私の長い片思いが終わりを告げていた。
もう、止めよう。
齋藤君を好きでいる時間が、長過ぎたんだ。

夢を見てたんだ。


そう自分に言い聞かせていた。
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