恋愛初心者です、お手柔らかに?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

キッチンの方から、携帯の着信音が聞こえてきた。

「あ、カバン…」

携帯の音が聞こえてきた事で、携帯がない事に気がついた私は寝室を出て、音のする方へと歩き出した。

キッチンにある、テーブルの上に置かれたカバンの中から、携帯を取り出した。

携帯のディスプレイを見て、動きが止まった。

齋藤君…


そうだ、突き飛ばして帰ってきたんだった。

どうしよう…


「…もしもし」

明日は仕事。
顔を合わさない訳にもいかず、気まずいまま仕事をしたくなくて、私は着信ボタンを押した。

「っ…もしもしっ?よかった…あの永山さん、すみ…」

「齋藤君、ごめんね。寝てたみたいの、どうかした?」

齋藤君が話そうとしていたのに、私は遮った。
電話の向こうで、齋藤君の戸惑った息遣いが聞こえた。

「えっ、いや、何度か電話した…んですけど。寝て…たんですか。よかった、あの」

ピンポーン

「あ、ごめん。誰か来たみたい。ちょっとごめんね」

玄関のチャイムが鳴らされた。
こんな時間に誰だろう?齋藤君に断りを入れて、私はモニターを確認した。

「えっ…」


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