恋愛初心者です、お手柔らかに？
「あ、ごめん。齋藤君、知り合いが来たから、また明日ね」

「え？あの…永山さ…」

齋藤君の言葉を最後まで聞かず、私は電話を切った。

ごめんね。

「茉耶さん、どうしたんですか？」

玄関を開けると、茉耶さんが和己さんと一緒にドアの前で立っていた。

「ごめんね。こんな時間に。電話しても出ないし、心配で来ちゃった」
「大丈夫か？顔色悪いぞ？」

「いえ、今まで寝てたんですよ。あ、どうぞ」

玄関で立ったまま話をしていた私は、あわてて2人を家に入ってもらった。

コーヒーを淹れようと、お湯を沸かしていると茉耶さんが来た。

「昨日何かあったの？和己から聞いたけど」

「あっ、いや…和己さんから何を聞いたんですか？」

「ん？昨日齋藤君と和音に行ったんでしょ」

「…っ」

「何かあったのね…私だけで話聞こうか？和己いない方がいい？」

言葉に詰まった私は、首を横に振った。

震える手でお湯を注ぐ、その手を茉耶さんが握ってくれた。

「大丈夫よ。私がやるから、あなたはあっちに座ってなさい」

そう言うと、和己さんの前に座らせた。

「絢、齋藤と何かあったのか？」

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