恋愛初心者です、お手柔らかに?
最後まで聞いたのか?

なんの事なんだか…

「はぁ…その顔じゃ、何も聞いてないんだな。絢、だいぶイタイぞ?」

和己さんは、営業部にいた頃から、容赦がなかったけれど、相変わらずの直球で…ため息まじりに言った。

「あ、あの…イタイって…」

出ていた涙もいつの間にか止まっていた。

「和己、相変わらずね。絢だって経験のない事なんだから、もう少し優しく言えないの?」

「ま、茉耶さん。いいです、私の事は…」

「いや、だめよ。こう言う事ははっきりしておかないと」

「え、そうくるか?茉耶。俺だってな…」

私を間に、和己さんと茉耶さんは、言い合いを始めた。

「か、和己さん、茉耶さん!私の事でケンカしないで下さい!」

私が間に入り、声を上げると和己さん達は、顔を見合わせた。

「…っ、まぁ、悪い」

「私もごめん。ついカッとなっちゃって」

「いえ、私のせいで2人にケンカなんてしてほしくなかっただけです」


その場の空気を切るかのように、和己さんが、話し始めた。

「あのな、絢。齋藤の話をちゃんと聞かなかったんだろ?」

私は頷いた。
聞くも何も、突き飛ばして出てきたんだから。



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