恋愛初心者です、お手柔らかに?
「あの、齋藤君?コーヒー…」

「いらないです。あの…今朝はすみませんでした」

頭を下げる齋藤君に、

「いいよ。私こそ、ごめんなさいね。突き飛ばしたりして」

「いや、いきなりキスなんかして…すみませんでした」

「もう、いいよ。齋藤君、もういいから」

「よくないですよ!」

「えっ…」




これは一体どういう事なんだろう?
私は、齋藤君に抱きしめられていた。


夢?
妄想?

頭の中がぐるぐると回っていた。

目の前にあるのは、齋藤君の大きな胸。
齋藤君の心臓の音が聞こえる。ドキドキと鼓動が速くなっているのが分かった。

「このまま…聞いて下さい」

頭の上で齋藤君の声が聞こえた。

「今日は飲んでないし、真剣なんです」

抱きしめられたままで、私は頷いた。

「俺…永山さんの事、好きだったんです」

「えぇっ!」

突然の告白に私は驚いて、顔を上げて叫んだ。

「うそっ」

「嘘じゃないですっ」

何を思ったのか、告白されて、叫ぶわ、嘘って聞くわ…私何者よ。

「いいですか、好きだったんです。って、過去形になるからそこは否定します。今も好きなんです…あぁ!もう!」

嘘…
好き…?今も?

腕の中で私は固まっていた。

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