恋愛初心者です、お手柔らかに?
♪♪♪♪♪♪

「う、うーん。まだ寝てたいの…」

頭の上に、あるであろう携帯を探す私の手が宙を舞った。
そして、行き場のなくなった手が何かに当たった。

ん?

なんだろう?
この毛みたいにフワフワした感触。

毛みたいな?

??

ハッとなった私は目を開けた。

「んがっ…な、なんで…齋藤君がぁ!」

目の前に、齋藤君の顔が…気持ちよさそうに寝ている、その顔があった。

しかも…

「ん…あ、おはよう…もう少しこのままで」

「え?え?ちょ、ちょっと…」

私が何かを言う前に、齋藤君は私の背中に手を回すと力を入れて私を抱きしめた。

このままで、と言いながらまた眠ってしまった。

落ち着け…
昨日、何があった?

ベッドの中で、抱きしめられた状態で、私の頭の中は爆発寸前だったけれど、理性を総動員して、考えた。

昨日…そうだ。
お互い好きだったって事に気がついて…

それで、私の家にそのまま泊まって行ったんだ。

やだ…。

思い出しただけでも恥ずかしい。
ダメだって…私には刺激が…

「…朝からいつもそんなテンションなの?」

「へ?」

顔を上げると、頭の上から、齋藤君が私を見つめていた。



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