恋愛初心者です、お手柔らかに?
「何笑ってんだよ、嘘じゃないよ」

顔を真っ赤にして、口を手で押さえた齋藤君に私は、後ろから抱きついた。

「ありがとう」

「な、なんだよ。俺だって必死だったんだ。白石さんがめっちゃ怖かったけど」

怖かった?不思議に思って聞くと、あの後、白石さんから怒られたらしい。
「俺が助けたかったのに」
と。
いやいや、誰が助けるとか関係ないし。なんでそうなるかな。

佐々木さんは、元々、私を指導してくれた人だったから、フォローに入っても違和感なかったらしい、白石さんの中では。だけど、齋藤君が横から売上を上げた事から、私の事を齋藤君までが好きなんだって、気づいたらしい、それで、白石さんから宣戦布告を受けたらしい。言ったもん勝ちだと。


あ、だからか…この間、東京に帰ってきた時のあの態度。

「気がついた?だから、俺があの日、邪魔した時すっげー嫌な顔されたんだ。絢は気づいてなかったと思うけど」

うんうん、と私は頷いた。
なんだか空気はおかしいなと思ったけれど、あの時そんな空気になってたとは。

「白石さんも、絢が好きなのは佐々木さんだと思ってたからね。まだフリーなら大丈夫だって、あの時思ってたはずだし。絶対告白なんてさせるか!って必死だったんだから」

なんて、私は幸せなんでしょうか。
だけど…和己さんの事を好きって…どこからそんな間違いが。
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