恋愛初心者です、お手柔らかに？

「おはよう…ございます」

「おはよう！っ、永山さん、顔色悪いけど、大丈夫か？」

「え？あ、大丈夫です。ちょっと、寝不足で…」

会社の前で、白石課長に挨拶をした私は、寝不足の顔を指摘され、慌てて、顔を隠しながら更衣室に向かった。

そんなにひどい顔なのかな…

「おはようございます」

下を向いて、更衣室に入った私に、浜田愛美が声をかけてきた。

「永山さん、どうしたんですか？すっごい顔色悪いですよ。目の下のクマが特に…」

「え、あ、ちょ、ちょっと寝不足でね…」

見られたくない人に見られたもんだ、と思っていると、言葉が続いて出てきた。

「もしかして、彼氏と朝まで…ですかぁ？」

な、何を言ってるのか…
違うと否定しようと、声を出そうとした。

「何言ってるのよ、愛美。永山さんはフリーでしょ。そんな相手いないのに失礼よ」

その言葉の方が失礼だけど….？

「あ、そっかぁ。そうだよね。無理しないで下さいね。永山さん、もうそんなに若くないんだから」

うん、顔を引きつらせながら返事をした私に、涼子の同期の倉橋さんが、耳打ちしてきた。

「永山さん、気にしない方がいいですよ。あれただのヤキモチですから」

「え？な、何に対して？」

びっくりして私は、倉橋さんを見返した。