恋愛初心者です、お手柔らかに?
倉橋さんが席を立ってから、何を話していいのか分からず固まってしまった私。

フォローは俺がする?それって…どう意味なんだろう…妙に含みのある物言いが私は気になっていた。
倉橋さんは上司として、と取ったみたいだったけれど、一度告白されていた私はどう取っていいのか分からなかった。
自意識過剰だと言われるかもしれない、もしかしたら上司としてだよと言われるかもしれないのに。無言でトレーに乗ったおかずを見ていた。

「前に移った方がいいみたいだな」

不自然に並んで座った状態になってしまったのが気になったのか、私が 何も言わなくなったのが気になったのか、白石課長が急に話をし出した。

「え、あ、そう…ですね」

「否定はしないんだな。ここにいていいよとは言ってくれないんだね」

小さく周りには聞こえない声で、白石課長が呟いた。

顔を上げると、トレーを前に動かし白石課長は席を移動した。

「…で、齋藤付き合ってるって本当なの?」

「え、あ、あの…白石課長?」

「ここで聞く話じゃないかな。俺としては、2年前の気持ちに変わりはないんだけど?」

「…っ、白石課長…それは…」


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