恋愛初心者です、お手柔らかに？
「…っ、大丈夫、大丈夫です…ゴホッゴホッ…」

なんとか咳が落ち着いてきた私は、白石課長な腕から逃れると、倉橋さんに支えてもらいながらその場から離れようとした。


「永山…今日は休め」

「い、いえ。今日が忙しいのは分かってます。辛くなったら、言いますので…すみませ…ん」

白石課長の休め、の言葉に倉橋さんも、そうですよ、無理しないで下さいと言ったけれど、大丈夫だからと言い聞かせ、更衣室に向かった。

「本当に大丈夫なんですか？無理ならすぐ、言ってくださいね？分かりました？」

さすが、涼子の同期なだけはあるな、と変な所で感心してしまった私は自然と笑みが溢れていた。

「あ、笑いましたね？心配してるんですよ？分かってます？」

「…っ、ゴホッゴホッ、ごめんごめん。ありがとう」

それから、私のフォローに倉橋さんが入ってくれた事もあり、仕事は順調に片付いていった。

仕事している間は。何も考えなくて済むから気が楽だった。

齋藤君は、外回りがほとんどで、会社内にいることが少なかったのも私の気持ちを楽にしていた。

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