恋愛初心者です、お手柔らかに？

ようやく咳が止まり、仕事も落ち着き始めた頃…
自分の体が、熱くなっている事に気がついた。

「やっぱり…熱が出てきたかな…解熱剤って持ってたっけ？」


一人ぶつぶつと言いながら、パソコンのキーボードを打っていた。
熱のせいか、モニターの字がダブって見えてきた。
何度となく、ミスタッチが増えてきていた。

…限界

私は自分の席から立つと、更衣室に向かった。

確か…鞄に入ってたはず。
とりあえず、あと数枚の見積りと発注を仕上げたら帰れる。
それまでは…。

「…よかった…あった」

鞄から、以前病院から出してもらった解熱剤があった。
その場で封を開け、飲んだ。

更衣室に来たついでにと、私は冷たい物でも買おうと財布を取ろうと鞄の中を見た。
その時、携帯が光っているのが見えた。

誰からだろう？齋藤君からかな…まさかね。
そう思いながら着信が誰からなのか、確認をした。

「あ…和己さんから…何かあったのかな？」

自販機に向かいながら、私は電話をかけた。
普段なら、仕事中に私用の電話はしない私だけれど、珍しい時間の電話が気になった私は、人目を気にしながら電話をかけていた。

「もしもし…何かありました？」