捕まえました。
すると、今度は彼の顔が耳元まできて、

「無理しないでくださいね」

そう言って、私の頭をポンポンと軽く触れ、行ってしまった。

一瞬の出来事で思考が追いついていないのだが。

耳元から微かに残る彼の匂いが、その出来事を思い出させてくれた。



「あら。結衣どうしたの?顔が赤いけど?」
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