君と僕のキセキ
第3章 君と僕の奇跡
24.愛を叫べ
師走に突入してすでに半月以上が経過し、街はすっかりクリスマスムードだ。店の壁や歩道に植えられた木に、きらびやかな装飾が施されている。
大和(やまと)学園大学のキャンパスでも、木に電球のついたコードが巻き付けられていた。きっと暗くなると光るのだろう。夜は大学にいることのない僕は見たことはないけれど。
誰がやっているのかと疑問に思っていたが、どうやらイルミネーション同好会というサークルが存在するらしい。構内に貼られているサークル勧誘のチラシを、つい最近目にして知った。一月から十一月は何をしているのかは不明だ。
昨日は一気に色々なことがあった。
まだ頭の中が混乱している。
今まで僕の片想いを応援してくれていた伊澄(いずみ)は、どこか様子がおかしかった。その上、明李(あかり)さんに告白するのはやめておけ、などと言っていた。
そして、今までただの後輩だと思っていた文月(ふづき)さんには告白をされた。とても素敵な女性からの告白を断るのは心が痛んだが、僕が好きなのは明李さんだ。
伊澄の昨日の様子は気になったけど、僕にはどうすればいいのかわからない。小屋に行って伊澄と話したかった。しかし、今日は金曜日。明李さんと食事をする日だ。
しかも、クリスマスまでの期間では、今日が明李さんと確実に会える最後のチャンスになる。まずは二人でどこかへ出かける約束を取り付けなくてはならない。