君と僕のキセキ
26.もう一度、キミと
強烈な虚無感がこみあげてきた。
私は、母親に嘘をついて学校をサボった。そして、昼休みに公園に行って宗平(そうへい)に酷いことを言った。
明李さんのことは諦めろなんて、どうしてあんなことを言ってしまったのだろう。
決して、悪意を持っていたわけではない。本当は、二人に幸せになってほしいはずなのに……。
誰よりも幸せを願っているからこその選択だった。
しかし、もっといい方法はなかったのだろうか。私の選んだ方法は、あまりにも短絡的すぎた。
けれども、考える時間が足りなかったのも事実だ。明李さんに告白をする前の彼と話せるのは、このタイミングしかなかった。
公園から帰宅した後は、できるだけ何も考えないようにしていた。
ベッドに寝転がりながら、ボーッと天井を見上げていた。
時間の流れに身をゆだねながら、ただひたすらに呼吸だけを続ける。
上の空で夕食を食べ、お風呂に入る。
再びベッドに横になって、布団をかぶった。
このときにはすでに、罪悪感が心に芽生えていたが、私は気づかないふりをしていた。