君と僕のキセキ
いつの間にか寝てしまっていたらしく、普段よりも早い時間に目が覚めた。
外はまだ暗い。もう一度寝ようかとも思ったが、眠れそうになかった。
そんなことよりも、自分がしてしまったことについて猛省していた。昨日のことを、全てなかったことにしてしまいたい。
激しい自己嫌悪に打ちのめされながら、学校に行く支度を始める。
自分なりに考えてしたことではあったが、今思うと、半分くらいは八つ当たりだ。振り返ってみると、そのことが痛いほどよくわかった。
私なんて、消えてなくなってしまえばいいんだ。
本当に、どうしてあんなことを言ってしまったのだろう。昨日から何度も自問を繰り返しているのだが、答えは明確だ。それでも、まるで正当な言い訳を探すかのように、私は自らに問いかける。
もう少しで、彼は幸せになることができたはずなのに。
色々と積み重なったものがあったのは確かだったけれど、きっかけはささいなことだった。
私は、重い荷物を持っていた。荷物はどんどん増えていくが、私は支え続けた。荷物を下ろしてしまえば楽になる。そのことはわかっていた。
あと数秒だけ我慢すれば、何事もなく平和な世界が訪れる。
しかし限界寸前の状態で、最後に乗せられたたった一粒の砂によって、重さに耐えきれなくなり、膝をついてしまう。
私にとってその一粒の砂は、母の悲しげな表情だった。
外を見ると、うっすらと明るくなっている。
今日も、いつも通りに朝が来た。
私はたしかに、今ここに存在していた。