君と僕のキセキ
ぼっちになった経緯も、これといって特殊なものではなかった。
去年の四月に行われた、新入生歓迎オリエンテーションというイベントを、僕は欠席した。少し風邪気味で体がだるく、行けないこともなかったのだが、無理をして参加するほどのものでもないと思っていたのだ。
その選択が間違っていたことを知るのは、それからすぐだった。
授業が始まる日には、すでに学科内でグループが形成されてしまっていたのだ。
僕には、そこに入っていくような社交性も勇気もなかった。僕は昔から、人から話しかけられるのを待っているような消極的な人間だった。
同じように一人でいる学生に声をかけようかとも思ったが、そういった人は全員、一癖も二癖もありそうなヤツらだった。
ピアスをジャラジャラつけて銀色の髪を逆立てていたり、移動が常に全力疾走だったり、授業中に黒魔術の本を真剣に読んでいたり……。そういう、少し変わった方々で、正直に言って僕はあまり関わりたくない。
この大学に、友人と呼べるような人間はいない。入学してから現在に至るまで、僕のキャンパスライフは灰色の一色だけで塗りつぶされたままである。
しかし、一人でいることはそれほど苦痛ではなかった。これは決して強がりなどではなく、単独行動は気楽であるという僕自身の主観的事実に基づく主張だ。誰かといるときに気を遣ってしまう性格の僕は、長い時間他人といると疲れてしまう。
とは言ったものの、楽しそうに大人数ではしゃいでいる学生を見て、羨ましさを感じることもある。せめて、一緒にご飯を食べる友人くらいは欲しかった。