【短】なんて恋してしまったんだろう
「薫くん、ノートの次に、私に夢中になってくれるの?」

「ノートは、あと。今まではごめん。でも、これからは京香が最優先だから…だから…」


『嫌いにならないで?』


耳元で囁くと、彼女はこくんと小さく呟いた。


笑ったり、泣いたり、色んな波があって、それがもしかしたら恋というものなのかもしれないけれど。
それでも、彼女と作り出す世界は、いつだって温かくて。


なんて、恋したんだろう。
なんて、素敵な恋をしたんだろう。


「好きだよ、京香」

「私も、大好き」

「ねぇ?京香からのチョコはないの?」

「…家に置いて来ちゃった」

「そっか、それは残念だな」

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