【短】なんて恋してしまったんだろう
「んじゃー、今日は此処までー。先生はこれから大事な会議があるから、このまま此処でHRするぞー」


間延びした担任の声。
それさえも、酷くもどかしい。

今日こそは、逃さない。
もし彼女が拒んでも、俺の気持ちが一方的だったとしても、話を聞いて欲しいから。


「きりーつ、れーい」


ガタガタと他のクラスメイトが席を立つ中で、彼女はぽつんとそのまま席に座ったままで前を向いていた。
親友の子に「帰らない?」って言われて「ごめんね」って返してるのが聞こえて、俺は心底安堵する。
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