棘ノ悪魔
「ねね、佑!
今日転入生来るんだってよ?」
こいつは竜宮 陵(りゅうぐう みさき)。
女々しい名前だが、一応男だ。
「そうだってな、
俺も今さっき聞いた。」
そして俺が野崎 佑麻(のざき ゆうま)。
何に対しても無関心、といつも言われている。
…俺に比べると陵は何にでも興味を示し、積極的。
対になる俺らだが、信頼はしている。
「はい、じゃあお前ら静かにしろ!!」
そう言い担任が机を2回ほど叩く。
「じゃあ、転入生の紹介をするぞ、
…入って来い!」
皆の息をのむ音が静かに聞こえる。
(そこまで緊張しなくていいと思うのは俺だけか?)
こつ、こつ…、という足音と共に髪を綺麗にまいた冷めた表情の女が現れた
はっきり言って、不細工ではない。
どちらかと言えば、綺麗、という分類に入るだろうその女を、皆が見ていた。
「じゃあ…、自己紹介を」
担任の言葉を聞き、その女は口を開いた。