誰にも届かぬ歌を
交流会が終わった次の日からは、僕のいじめは無くなった。
そんなある日の放課後、校門を抜けると見覚えのある人物が。…優太だ。
「優太、どうしたの?」
僕が優太に問いかけると、優太は僕に微笑み「大事な話がある」と言った。人がいない場所まで僕を連れ込んだ。
「…大事な話って?」
「家族と話し合ったんだ。鈴音…僕の家族にならない?」
「え…?」
僕は優太を見つめた。優太は笑顔を崩さずに「本気だよ。いじめは無くなったとはいえ…辛いんでしょ」と優しく言った。
「…辛いよ!僕は…家族に愛されず、友達に裏切られて…彼女にまで見捨てられた…っ!」
優太は泣く僕を抱きしめ、「俺は鈴音を助けたい」と呟いた。