不思議の国のティーパーティー
「いけません。もう二度と、森へ行ってはいけません」
「どうしてそこまで……」
わがままを言えないあたしをいつも気遣ってくれていたと思っていた。
いつも退屈そうに、憂鬱そうにしているあたしを何とか楽しませようと、元気づけようとしてくれるアオイの優しさを知っていた。
だから尚更お茶会に行かせたくないアオイが分からなかった。
時計屋たちは明日も明後日もお茶会を開くと言っていた。
あたしは諦めた振りをし、ため息混じりに頷いた。
「分かったわよ」
アオイもそれを見て安心したのか立ち上がる。
「外に出たい時は仰ってください。またシロツメクサの草原へ遊びに行きましょう。今度は女王様の許可を取って」
なんてつまらない提案なのかしら。
終わったパーティードレスがどうなろうと関係ない。
あたしはそのままベッドへもぐりこんだ。