不思議の国のティーパーティー



期待通り、今日も森の奥からは歌が聞こえる。



「こんにちは……」


昨日の無礼を気にしてゆっくりと顔を出す。



だが、そんな心配は無用だった。



「姫様だ!姫様がきた!」



昨日と同じ連中があたしの登場に喜んだ。



「どうしてもお茶会に参加したくて、城を抜け出して来ちゃった」

「姫様悪い子。叱られてしまうよ」

「大丈夫よ少しくらい」

「叱られても平気なの?」

「アオイは怒ったら怖いけど。それよりもみんなとお茶会がしたくって」



うさぎ、ねずみ、猫が代わる代わるに質問する。



そんな中、時計屋のテッドが顎に左手を当てて、右手に持つミント味のマカロンを眺めながら言った。




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