不思議の国のティーパーティー
「アオイ・マーチン」
「なぜアオイの名前を……」
あたしの心臓がドキリと波打った。
悪いことがバレてしまった時のような、なんとなく、そんな感情だ。
「やっぱり……」
テッドは首から下げている懐中時計を開き、時間を確認した。
「彼はアオイ・マーチン。はるか昔、お茶会をめちゃくちゃにした人物だ」
「どういうこと?」
「少し、昔の話をしよう」
懐中時計をパタンと閉め、無意識に握りしめる。
そして、ゆっくりと口を開き、昔話は始まった。