不思議の国のティーパーティー
街外れで茶葉屋を営んでいた男がいた。
頻繁にお茶会を開いており、お茶会が大好きだった。
誰が参加してもいい。
子ども大人も動物も、楽しくお茶を飲みながら話が出来るなら、誰でも気兼ねなく参加出来るお茶会だった。
ある日、森の奥の魔法使いが楽しそうな歌声に惹かれてやってきた。
誰が参加してもいいお茶会。
男はもちろん歓迎した。
魔法使いは男のお茶を気に入った。
「街外れで茶葉屋を営んでいるので、いつでも寄ってってください」
男は笑顔でそう言ったが、それは魔法使いが求めているものではなかった。
「茶葉ではなくあなたが欲しいわ」
「どういうことでしょう?」
「あなたの入れるお茶がいい。わたしと一緒に来てちょうだい。そしてわたしだけのためにお茶を入れてちょうだい」