不思議の国のティーパーティー
悠々とした魔法使いの態度に男は目を丸くした。
「それは出来ません。こうしてみんなとお茶会を開きたいので。あなたもいつでもお茶会に来てくださって構いませんよ」
「わたしはわたしだけのためにお茶を入れて欲しいの。拒否をするというの?」
「申し訳ございませんが、あなたのためだけにはなれません」
「だったらこんなお茶会壊してあげる。こんなお茶会があるからあなたはわたしの元へ来れないのよ」
魔法使いは尖った爪先から光を放ち、並んだお茶菓子、綺麗なティーセット、机も椅子も魔法で全てめちゃくちゃにした。
動物たちも森へ隠れ、時計屋も武器屋も帽子屋もみんな、小屋に隠れた。
「これで残る理由がなくなったわ。さあ、わたしと共に来なさい」
「できません。私は何度でもお茶会を開きます」
「黙りなさい!あなたはわたしと来るの!わたしのためだけにお茶を入れるのよ!」
「嫌です!」
「仕方がない。気が変わるまで待ってあげる。ただ、気が変わる前に死んでもらっては困るから、死ねない身体になりなさい」
そういって魔法使いは男に不老不死の魔法をかけたそうな。