不思議の国のティーパーティー
「お嬢様、泣かないでください」
アオイがしゃがみ込み、あたしの顔をのぞき込む。
そして、ゆっくりとあたしの涙を拭いた。
あたしが泣く時はいつも、こうしてしゃがんで同じ目線まで落としてくれた。
だけど、今はもうその高さでは目線は合わない。あたしが大きくなったこと、アオイはきっと気付いていない。
それがまた悲しくて、アオイとあたしの時間の流れが違くって、せっかく拭ってもらった涙はまた溢れ出た。
「わたしのための涙なんて、もったいないです」
いつもと同じ優しい笑顔を向けてくれる。
「200年、アオイはどうしてきたの?何を思って今、ここにいるの?」
「もう、200年になるんですね」
「聞かせて……アオイの話を。アオイの口から聞きたいわ」