不思議の国のティーパーティー
"昔"から一歩も進めないでいるアオイの前で言える言葉ではなかった。
「ごめんなさい。あたし…」
あたしは一瞬で訂正を入れるが、200年同じ時を過ごしたアオイの笑顔は崩れなかった。
「昔、楽しかったあの日を思い出せたことが嬉しくて、つい…アオイの気持ち…」
また泣きそうになるあたしを見て、アオイは一つ、シロツメクサを摘んだ。
そして、また一つ、一つ丁寧に摘んでは器用に編んでいった。
「大丈夫ですよ。お気遣いなさらずに。正直、ほとんど諦めていましたから。お嬢様、少しだけ、私の話を聞いてくれますか?」
あたしの不安な顔を見て、アオイは悲しく笑った。
「えぇ…聞かせてちょうだい…」