不思議の国のティーパーティー



大木の麓までの道は、これまで城でしか暮らしてこなかったあたしにとっては過酷な道だった。



草木のトンネル、丸太の橋。


初めての踏み場ばかりでどんどん森の奥へ入っていくのが分かる。



道中、森に住む動物たちに皆が挨拶をする。



この森の住人たちはみんな仲良しのようだ。



「時計屋がこんなところにいるの珍しいな。今日はお茶会しないのか?」



「今日のお茶会はやめにした。ちょっと野暮用さ」



と何度か同じような会話を交わしている。


テッドたちのお茶会はどうやら森では有名のようだ。



「ここだ」



気付けば森の奥深く、これまで見た中で1番大きな木が目の前にそびえ立っていた。



「大きい…」



< 61 / 90 >

この作品をシェア

pagetop