不思議の国のティーパーティー



「負の感情は強い魔法を生む。青年が出会った魔女はそういう魔女だったんだよ」



「魔法を、解く薬はないんですか?」



1番聞きたかったこと。

おそるおそる、小さな声で質問した。



「老いを早める薬はある。それを飲めば成長して見えるかもしれないが、魔法が解けたわけではない。彼はどんなに時が経っても死なない」



「あたしは、アオイをもうひとりぼっちにはしたくないんです」



「それは、アオイ・マーチンの願いか?それとも、あんたの願いか?」



お爺さんの細い目が、真っ直ぐあたしの方に向いているのが分かった。



それを返すかのように、あたしも真っ直ぐ向き直る。



「………あたしの願いです…」



「じゃあ、あんたが魔法を解いてやんな」



「どうやって…」



「さっきも言ったが、負の感情は強い魔法を生む。それとは逆に正の感情も強い魔法を生む。あんたならきっと解いてあげられるさ」




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