不思議の国のティーパーティー
言ってアオイはあたしの1番嫌いな顔をする。
「どうして分かってくれないの…?」
「分かってくれないのはお嬢様の方です」
アオイの気持ち、分かっていないわけではない。
どうしてもそれは尊重できない。
そのすれ違いが、こんなにも辛いだなんて。
「もういい…あたしに構わないで…」
「お嬢様…」
あたしが強く言い返すと思ったのか、小さく呟いて背を向けると、それ以上アオイは何も言わなかった。
きっと今はお互い距離を置いた方が良いのだと分かっている。
けれど、立場上放っておけないアオイの気持ちも分かる。
だけど、アオイの悲しそうな、全てを諦めた顔はもう見たくない。
その日からあたしは、アオイと会話をしなくなった。
アオイの「おはようございます」も、「今日の紅茶はどうなさいますか?」の言葉も、全て顔を横にそむけた。