不思議の国のティーパーティー



季節は夏から秋になり、雪の降る冬が訪れた。



その日の水曜日も相変わらず15時からは王室会議。




女王と王様と、側近のアオイと、他の王室関係者がこぞって会議室へ入っていくのを確認し、今日もお爺さんのところへ向かった。




門番をしているトランプ兵が昨日の夜降り積もった雪で雪だるまを作っている。



庭の赤いバラにも雪が降り積もり、白く染め上げていた。



「これを見たら女王は怒り狂うでしょうね」




同じ気持ちなのか、必死に雪を振り払い、赤を主張させている庭師が数名。




あたしはそんなみんなの目を盗んで、城を出た。



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