不思議の国のティーパーティー
「ドクターミカエル…」
アオイがあたしですら知らないお爺さんの名前を口にする。
「よくわしの名前を覚えていたな」
「まだお元気でいらっしゃったんですね…」
「顔に死んだと思ったと書いてあるぞ」
「お嬢様に変なことを吹き込まないでください」
「この子が頼んできたんだ」
何か言いたげのアオイを遮り、あたしは必死に叫んだ。
「そうなのアオイ!アオイの呪いを解けるかもしれないの。だからあたし、魔法を覚えて…」
「いけません。危険です。お嬢様は魔法がどれだけ危険か分かっていない」
伝わらない気持ち、重ならない想い、どれだけぶつけ合っても、変わらないのかもしれない。
お互いが、お互いを分かろうとしない限り。