不思議の国のティーパーティー
「あたしの願い、魔法で叶えたから。アオイの呪いが解けますようにって。自分の願いが叶う魔法…自分の願いを、誰かと叶える魔法…いっぱいいっぱい練習したから。
アオイはもう成長できるのよ。今この瞬間、アオイは成長してるの。1秒1秒、歳を取っているの。
だからね、もう誰かに先を越されることはないし、一人ぼっちになることもない。まだまだ背だって伸びるし、50年後にはヨボヨボのおじいちゃんにだってなれる」
そんなつもりはなかったのに、自然と涙がこぼれ落ちた。
「それ、本当ですか…?」
「本当よ」
「一緒に、生きてくれますか?」
「生きるわ」
「一緒に、年老いてくれますか?」
「もちろんよ」
「キスで魔法が解けるなんて、まるでおとぎ話みたいですね」
「王子様ではなく、お姫様からのだけどね」
そして、どちらからともなく再びキスをした。