魔法学園の落ちこぼれは卒業できるのか
*******

「じゃあ基礎中の基礎だけ今日は教えるね」

「お願いします」

あれからアデリアを迎えに行って寮に帰りながら、基礎中の基礎だけでいいから教えて欲しいとお願いするとあっさりオッケーしてくれた。

やっぱり持つべきものは友達だなあ・・・!


「早速だけれど、魔法使いが持つ魔力には属性があるの。火とか、風とか雷とか。その中でも“火”、“水”、“風”、“大地”、“回復”の五つは使える人が多いの。ちなみに私は回復魔法が得意よ。で、その五つは五大属性と言われていて各属性には聖人と呼ばれるトップがいるの。五人の聖人を合わせて五聖人、そしてこの五聖人が魔法理事会の構成員よ」

「属性って言うのは一人一つなの?」

「基本的にはね。でも中には二つ使える人もいるわ、デュノア王国の第一王子は二属性使えるわよ」

すごいなあ、私なんて一つも使えないのにデュノア王国の第一王子様は二つも使えるのか・・・

「それで、魔力を持つ子供は自分が一体何の属性を持つのか知って魔法を制御する術を学ぶの。それに加えて歴史とかも学ぶんだけどね」

「なるほど、わかったよ。それにしてもアデリア達はそれを初等部の頃から勉強してたんだね、すごいなあ」

「まあ難しい理論とかは中等部から本格的に学ぶから。初等部の勉強は遊びみたいなものだよ」

「私もどうせ通うなら初等部から通いたかった・・・」

「・・・それにしても魔法理事会の意図は何だろうね・・・」

「さあ。意図だなんて知りたくないよ」

「よし、そろそろ寝よ」

「うん、おやすみ」

「おやすみ~」


布団に潜り込んで目を閉じる。

(たとえこの入学に魔法理事会の企みが絡んでいたとしても、私は魔法が使えない。それだけは変わらない事実・・・)

目がさえていてなかなか眠れなかったけれど、アデリアの穏やかな寝息を聞いているうちに私も眠りについていた。
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