魔法学園の落ちこぼれは卒業できるのか
「イザヤ、入るよ?」

「どうぞ」

教会の一番奥、そこにイザヤの書斎兼私室がある。

ドアを開けると重厚な樫の木でできた机の前に一人の男性が座っていた。
クリーム色に近い金髪―――クリーミーブロンドの髪に水色の瞳。彼こそがここの司祭であるイザヤ、私を拾って育ててくれた人。

イザヤは名字のない私に名字を与え、学校にも行かせてくれた。
彼からもらった“バルニエ”という姓は宝物だ。

それにしてもいつ見ても綺麗な顔だなあ。この町では“神に愛されし司祭”だなんて呼ばれているぐらい美しい顔立ちなのだ。黙っていれば彫刻かと思うくらい。

「なにをボーっとしているのですか」

「え?ううん、なんでもないっ」

まさか見惚れていましただなんて言えない。

「まあそれはどうでもいいです。これを渡したくて呼びました」

そう言ってイザヤが差し出したのは一通の手紙。
別になんてことない封筒だけれど、疑問を感じる。そう、私に手紙をくれるような人はいないはずなのだ。

「私に手紙くれる人なんていないはずだよ?」

そう言いながらも手紙を受け取り、差出人を見ると

「魔法理事会?」

「そうです。開けてみてください」
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